妥協をゆるさない製法-GOOD YEAR WELTED-
創業当時から、レッドウイングではほとんどの靴がグッドイヤーウエルト製法で作られている。

この製法の最大の特徴は、中底に”リブ”と呼ばれる凸線路上のパーツを縫っていること。このリブとアッパー、中底、ウエルト(細革)を一緒にすくい縫いし、ウエルトと本革を出し縫いによって接合する。リブが作る空間を埋めるため、充填材(コルク)が詰められる。

このような非常に手間のかかる工程を経て作られた靴は、丈夫で、履いているうちにフィット感が高まり、長時間履いても疲れにくい。また、ソールのリペア修理も可能という、ワークブーツに必要不可欠な全ての条件を満たした製法といえるだろう。

 


-ALL AROUND GOOD YEAR WELTED-


レッド・ウイングでは1937年から採用された、グッドイヤーウエルト製法の発展型。従来はヒールの手前までだったウエルト(細革)を靴の周りに一周巻きつけ縫い合わせることで、それまで使わざるを得なかった釘を一切使わずに製作することが可能となった。100%ステッチのこの製法で、柔軟性が飛躍的に向上。
現在では主にアイリッシュセッターに代表されるクッション性能に優れた白いソール=「Traction Tred Sole」を装着したモデルに採用されている。
 


こだわりの革

S.B.FOOT(S.B.フィット)

レッドウイングの歴史を語る上で欠かすことの出来ないレザーメーカー「S.D.フィット」。1872年、レッドウイング市に設立された歴史ある企業。

原皮を新鮮なまま使用するために、牛の死後2〜5時間の間になめし処理を行う「フレッシュハイド製法」など手間を惜しまぬ革作りのスピリットに共感したレッド・ウイングは創業当時から同社のレザーを採用。1986年には、レッド・ウイング社の100%出資により子会社化された。「選ぶ」から「作る」へ。レッド・ウイング社の革へのこだわりは、更なる深まりを見せる。
そして2007年、S.B.FOOTの持てる技術の粋を集め完成したプレミアムレザーが誕生。その名は「フェザーストーン」と言う・・・。

 



フェザーストーン


ベックマンブーツに代表されるレッドウイングプレミアムコレクションの「クラッシック・ドレス」シリーズ専用の革。レッドウイングの自社タンナリー(革のなめし工場)である「S.B.FOOT」による卓越した技術と熱心な研究の結果、ホーウィン社のクロムエクセルレザーのしなやかさにレッドウイングブーツならではの強靭な耐久性が加わった、まさに究極のレザーが誕生した。

なめしの工程を2度行う。初回はクロムなめし(これはホーウィンと同じ)、そして再なめしから染色の過程で防水性と銀面(革の表面)の色合い・輝きを両立するために特殊な染料やワックス、オイルなどを使用し入念に時間をかけて仕上げる。この工程の隅々にS.D.FOOTならではの企業秘密があるらしい。

その原皮には、牛革の中でももっともタフでしなやかなテキサス産ステアハイドを使用しているのだが、その中でも初回なめしが終わったハイドを入念にチェックし、銀面のなめらかさ・厚さのムラ・しなやかさなどの観点で最上級のもののみが選び出される。その資格を持つのは全体のわずか5%だけ!

この「フェザーストーン」という名前、これはレッドウイング市とその周囲一帯を指す地域名で、約130年前ここでS.D.FOOT社が誕生したときからそのタンナリーのすぐ隣には、地区名「フェザーストーン」を示すサイン「道標」が立っている。今回開発されたこのレザーこそ、レッドウイングの創業者「ベックマン」の名を冠するブーツに最もふさわしいとして、タンナリーがこの名を与えた。

またもうひとつの理由は「フェザーストーン」の文字の意味するフェザー(羽根)とストーン(石)。羽根のように優雅でしなやかな銀面と、石のように強靭な耐久性を併せ持つこのレザーの特徴を的確に表現しているからだ。

「フェザーストーン」。このレザーの誕生は、レッドウイングを更なる高みへと導く・・。

 
 


HORWEEN-ホーウィン-

いまや世界最高のコードバンを生み出すタンナーとしてあまりにも有名な「HORWEEN」。ロシア系移民の創業者が1905年にアメリカ・シカゴに設立。それは偶然にもレッド・ウイングがその歴史をスタートさせた年と全く同じである。両社が100周年を迎えた2005年、最高の”革”と最高の”技術”をもって生み出される「究極のシューズプロダクト」が始動する・・(**現在は生産終了。在庫限り)。

この特別なシューズを開発するにあたり、レッド・ウイングがチョイスしたのが「ホーウィン クロムエクセルレザー」。1920年にワーク&アウトドアブーツ用の素材として開発されたステアのオイルドレザーで、通常よりも多くの油分を含むことで優れた柔軟性と耐久性、そして撥水性をも併せ持つ、まさにレッド・ウイングシューズにうってつけの革である。

この種のレザーは、裏側から指で押すとその部分の油分が周囲に逃げて、生地表面の色が浮かび上がって味わい深い独特な濃淡を見せることから「プルアップレザー」と呼ばれ現在大変な人気を博している。しかし、ホーウィン社はこのレザーを流行とは無関係に、80年以上変わらぬ製法で作り続けている老舗中の老舗なのである。

また、レッド・ウイングシューズに使われるクロムエクセルレザーは一度なめしたものをもう一度植物のタンニンでなめす「ベジタブルリタンド」と呼ばれる工程を経て、更にその表情に深みを増す。クオリティーアップのための手間は惜しまない。
是非、実際に履いていただき、一流と呼ばれる物作りのプライドとクオリティーを感じて欲しい。

このプロダクトは期間限定のため現在生産終了しているしたがって「ホーウィン・クロムエクセルレザー」を使用した商品は在庫限りとなりますのでご了承ください。

 


一針に込める魂  



PURITAN(ピューリタン)


1905年の創業当時からレッド・ウイング社で使用されているピューリタン社製ミシンは、シューズのアッパーの縫製においてレッド・ウイング独特のトリプルステッチを生み出すためには必用不可欠な機械。1930年代のピューリタン社倒産以降は、自社でメンテナンスチームを組み細かな調節から破損部品の製造まで行い、当時のものを現在も約30台稼動させている。

100年間守り続けた一針へのこだわりが、100年間変わらぬクオリティを守っている。